6/12 ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員会主催ラウンドテーブル 「気候変動と蚊媒介感染症~マラリア流行予測から考える」

気候変動という言葉は、新聞で、TVで、インターネットで、目にすることが多くなりました。
記録的な猛暑やゲリラ豪雨の多発など、「想定外の災害」の多発は、気温上昇の影響が一因と考えられています。

気温の上昇は感染症対策にも影響をあたえます。
国連の報告書では、2100年に現在より2.8℃上昇するような世界を想定したとき、気温の上昇がない場合に比べて、気候変動に起因する病気や災害での死亡者が2030年には年間24万人増え、そのうち蚊が媒介して発生するマラリアによる死者数は6万人増えると予想されています。
日本でも、気温の上昇によって、デング熱といった蚊媒介性感染症の発生や流行のリスクが指摘されており、私たちの健康と無関係ではありません。

気候変動による環境の変化、グローバルな人の移動、感染症のパンデミック(世界的流行)への懸念。
日本、そして世界ではどのような取り組みが求められるのでしょうか。

ZEROマラリア2030キャンペーンでは気象変化のデータからマラリア流行リスクを予測する、日本とアメリカの取り組みを事例に、感染症対策の新たな可能性を考えるウェビナーを開催いたします。マラリアやデング熱、ジカ熱、フィラリア症など蚊が媒介する病気は、環境変化の影響を強く受けます。
感染症対策を通じて、環境課題を考えてみませんか?

みなさまのご参加をお待ちしています。


概要

  •  日時:2020年6月12日(金) 15:30-17:30
  • 主催:ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員会(認定NPO法人Malaria No More Japan内)
  • 協力: Future Earth Japan Hub
  • 使用言語:日本語・英語(同時通訳あり)
  • 参加方法:先着80名様までZOOMにて視聴可能です。
    * 事前に参加申し込みフォーム(https://forms.gle/BQUKBr9wu3c5am5TA)よりお申し込みください。後日事務局よりZOOMのID、パスワードをご連絡いたします。本ウェビナーは後日編集して公開する予定です。
  • 参加費:無料
  • イベントに関するお問い合わせ:zero2030@malarianomore.jp (担当:長島)
    *本イベントはジュネーブに本部を置く国連のマラリア専門機関「RBM Partnership to End Malaria」の助成を受けて開催されます。

登壇者:

司会:

  • 神余隆博(Malaria No More Japan理事長、ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員会運営委員長)

モデレーター

  • 橋爪真弘(東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授)

基調報告者

  • 皆川昇(長崎大学熱帯医学研究所教授)
  • Joshua Blumenfeld(Malaria No More 業務執行責任者)

コメンテーター

  • 春日文子(国立研究開発法人国立環境研究所特任フェロー、フューチャー・アース国際事務局 日本ハブ事務局長、東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)客員教授)
  • 山岸尚之(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)自然保護室気候変動・エネルギーグループ)
  • Dr. Assaf Anyamba, Universities Space Research Association (USA)
  • その他、ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員メンバー

スケジュール(予定)

15:00 開場
15:30 開会 神余隆博(ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員会運営委員長)
15:35 基調報告「南部アフリカにおける気候予測モデルをもとにした感染症流行の早期警戒システムの構築」皆川昇(長崎大学熱帯医学研究所教授)
15:55 基調報告「Malaria No Moreにおける新たな保健イニシアティブ」Joshua Blumenfeld(Malaria No More業務執行責任者)
16:15 コメント
春日文子(国立研究開発法人国立環境研究所特任フェロー)
山岸尚之(WWFジャパン自然保護室気候変動・エネルギーグループ)
Dr. Assaf Anyamba, (Universities Space Research Association (USA)
16:25 質疑応答、参加者のディスカッション
17:25 閉会挨拶
17:30 終了

 

登壇者略歴(50音順・敬称略)

春日文子(国立研究開発法人国立環境研究所特任フェロー、フューチャー・アース国際事務局 日本ハブ事務局長、東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)客員教授)

1988年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了、国立感染症研究所、国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長を経て、2016年4月より国立研究開発法人国立環境研究所特任フェロー。2000年~2015年までFAO/WHOテンポラリーアドバイザーならびにWHO FERGメンバー、2003年より国際食品微生物規格委員会(ICMSF)メンバー、2011年10月~2014年9月まで日本学術会議副会長(国際活動担当)。フューチャー・アース国際事務局設立から関わり、2015年5月より同事務局日本ハブ事務局長。

神余隆博(認定 NPO 法人 Malaria No More Japan 理事長、ZEROマラリア2030キャンペーン実行委員会運営委員長、関西学院理事、同大学教授、国連・外交統括センター長)

1972 年大阪大学法学部卒業、外務省入省。2002 年在デュッセルドルフ日本国総領事、2005 年外務省国際社会協力部長、2006 年国際連合日本政府代表部特命全権大使、2008 年在ドイツ特命全権大使等を歴任。1996年博士号(法学)取得。2012 年 3 月外務省退職。2012年 4 月より関西学院大学副学長・国際連携機構長を歴任。ドイツ功労大十字勲章、フランス・シュバリエ勲章を受章。2017 年 4 月より国連・外交統括センター長。

 

橋爪真弘(東京大学大学院医学系研究科 国際保健政策学 教授)

2001年東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修士課程修了。2007年ロンドン大学公衆衛生熱帯医学大学院博士課程修了。長崎大学熱帯医学研究所国際保健学助教、小児感染症学教授を経て、2019年10月より現職。中央環境審議会・気候変動影響評価等小委員会委員、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書主執筆者。環境疫学、気候変動の健康影響を専門とする。

 

 

皆川昇(長崎大学熱帯医学研究所 病害動物分野 教授)

ウエスタンワシントン大学(生物学:BS, MS)、ワシントン大学(米国シアトル:生態学:PhD)。 ケニアにある国際昆虫生理生態学センター、ニューヨーク州立大学、佐賀大学を通して、主にアフリカでマラリア媒介蚊の研究を行ってきた。 現在、ケニア、ビクトリア湖畔のフィールドでマラリアをなくすために考え、学び、行動中。 専門分野:生態学、生物地理学など。

山岸尚之(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)気候変動・エネルギーグループ長)

1997年に立命館大学国際関係学部入学。2001年マサチューセッツ州、ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連会議での情報収集・ロビー活動などを担当。2011年より気候変動・エネルギーグループリーダー。また、内閣府・実践キャリア・アップ戦略・カーボンマネージャーワーキング・グループ委員。2012年よりカーボン・オフセット制度登録認証委員。主な著作に「地球環境問題解決のための国際協調」(第5章)池尾靖志/編 『平和学をはじめる』(2002年)晃洋書房、「アメリカ議会および西部5州の動向」 諸富徹・山岸尚之/編『脱炭素社会とポリシーミックス』(2009年)日本評論社。

ジョシュア・ブルーメンフェルド Joshua Blumenfeld(Malaria No More業務執行責任者)

ワシントンを拠点にゼロマラリアを目指して政府や関係機関とのグローバルな政策提言活動や官民連携した普及啓発活動全般を行っている。
オバマ政権時には上院総務に関する国務次官補佐を務め、クリントン国務長官、ケリー国務長官や国務省幹部に対して、外交、国防、議会における課題に対する事前の分析などを行った。在任中は上院に対し100近くの大統領案や国務長官案の提出を補佐している。国務省ではアメリカの外交・開発の中期的な基本政策である「4年毎の外交・開発見直し(QDDR:Quadrennial Diplomacy and Development Review)」に関する局長代理を務め、2014年同省の戦略政策及び管理評価の策定に関わった。オバマ政権以前は上院で西半球外交小委員会主任、上院インド外交担当として活動したほか、米国上院でクリス・ドット上院議員の外交政策上級アドバイザーを務めた。
ロチェスター大学で学位取得後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で修士取得、ジョージタウン大学で博士号取得(法学)。ペンシルバニア大学で非常勤教授も務める。

アサフ・アニャンバ(米大学宇宙研究会)

米大学宇宙研究会(Universities Space Research Association)の研究代表者。同会のゴダード地球科学・テクノロジー・リサーチ(GESTER)プログラムに2011年より従事。人工衛星データを活用した地球生物圏における気象変化の影響について専門にしている。農業モニタリングや関連する疾病に関する運用的適用を進めるチームの主任研究員であり、米国農務省海外農業部(USDA/FAS)、国防総省防衛保健機関国際新興感染サーベイランス(DHA/AFSHB-GEIS)、国防脅威削減局(DTRA)、合同科学技術事務局(JSTO)、生物脅威削減プログラム(BTRP)などの連邦機関とも連携して活動している。アニャンバ博士は、ケニア大学経済地理学で学位取得後、植生のリモートセンシングにおける地理学的研究でオハイオ大学で修士号を、クラーク大学で博士号を取得している。