マラリア・ノーモアの新プロジェクト「ヘルス・ファイナンス・コウリション(HFC)」開始

(2021年1月12日)ゼロマラリアを掲げて活動する国際NGO「マラリア・ノーモア(Malaria No More)」は、アフリカにおけるマラリアの治療やその他の必要な医療を提供する民間医療セクターを支える新たなプロジェクト「ヘルス・ファイナンス・コウリション(HFC)」の開始を発表しました。

第1弾として世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として「アフリカ民間ヘルスイニシアティブへのドアを開け(the Open Doors African Private Health Initiative)」を開始、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダのサブサハラアフリカ5カ国で約1,600の中小民間医療提供施設に対する総額3000万ドルの貸与を実施、コロナ禍で直面する健康・経済リスクへの対策を支援します。支援活動はCOVID-19の影響でマラリアを含めた感染症対策が十分に行き渡らず、結果COVID-19以外の感染症の流行を発生させ医療現場の崩壊につながることがないようにするものです。

サブサハラアフリカにおいて民間のヘルスケア事業者は同地域のヘルスケア事業の約50%を占めており、初期のマラリア診断キットや治療薬、産前ケア、定期予防接種など人命にかかわる活動に従事しています。COVID-19のパンデミックにより、ヘルスケア事業者はすでに疲弊しており、パンデミック以外の感染症対策にも影響が出ることが懸念されています。2020年にはサブサハラアフリカで適切な診断ができないために10万人のマラリアによる死者が増えると予測されたのは、その一例でもあります。

ロックダウンを含む外出自粛の要請が行われたことで、ヘルスケア事業者もまたサービス提供の頻度の減少とそれによる経営への影響は、事業閉鎖につながる恐れが指摘されています。新たなイニシアティブ「アフリカ民間ヘルスイニシアティブへのドアを開け」は、COVID-19によって苦境に立たされた民間ヘルスケア事業者を支援することを目的に、アメリカ政府が進めるプレジデント・マラリア・イニシアティブ(The President’s Malaria Initiative、以下PMI)による70万ドルの拠出に加え、米国国際開発金融公社(USDFC)からの1770万ドルの融資保証、ロックフェラー財団やスコール財団、MCJアメリア財団からの150万ドルの資金提供によって中小のヘルスケア事業者への貸出が行われるほか、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)による追加支援も検討しています。

支援活動を通じて患者500万人のケアをサポートすること、とりわけ300万人のマラリアをはじめとする感染症のリスクがより高いとされる低所得者(そのうち240万人が女性であり、140万人は子ども)の支援につながることが期待されています。非営利の保健投資ファンドである「メディカル・クレジット・ファンド(MCF)」を使って行われる貸出事業はマラリア・ノーモアによって運営され、1事業者平均1万7000ドルが拠出され、COVID-19保護装置なども含めた医療備品購入などに充てられます。パンデミックの間に感染予防に努めながら通常のヘルスケア業務を安全に遂行するための事業者向け訓練資料の配布もPMIを通じて実施される予定です。

マーティン・エドルンド(マラリア・ノーモア CEO)のコメント

この機能は、COVID-19によってアフリカの民間医療セクターが直面している健康と経済の2つの危機に対処する最初のソリューションの1つです。 創造的な金融ソリューションを使用して、マラリアから命を救い、アフリカの最も緊急のヘルスニーズに対応することで、より幅広い対応が生まれることを願っています。